痩せる飲み物を選ぶ

前回、太りにくい体質を作るために、体温を上げて代謝を改善することが重要とわかりましたが、体温を上げる飲み物がたくさんあることがわかりました。

最適な減量方法
基礎代謝と年齢・体格・体温の観点から最適な減量方法について検証します。

寝起きや平常時、食事中、運動前、就寝前などのシチュエーションで、最適な飲み物は異なるはずです。今回はシチュエーション別で何を飲むのが最適か比較検討してみました。

その前にまず、体温を上げる分類に入っている飲み物の特徴を簡単にまとめてみたいと思います。まず、体温を高めるのに最も効果的な成分を含むのは生姜湯とココアです。次に血行を促進して体温の低下を防ぐものとして、黒豆茶、ごぼう茶、シナモン茶がノミネートしており、梅番茶は血流をサラサラにする効果が期待されてノミネートしています。一般のお茶からは紅茶、ほうじ茶、ウーロン茶、プーアル茶、番茶がノミネートしていますが、発酵により体温を高める成分が含まれることと、血管を収縮させるカフェインを含んでいないか、少ないというのがポイントです。なお、アルコールは常時飲めないので今回検討から除外します。

生姜湯

生姜は他の食品と比較して最も体温を上げる効果が高い食品です。

生姜を加熱し乾燥させた時にできるショウガオールは血管を拡張させ、血行を良くし、体温上げる効果が高いです。また、血液をサラサラにして、血流を良くします。また、抗酸化作用で、血管と肌を健康にします。さらに、自律神経の調整にも効果があり、睡眠が改善します。

同じく生姜を加熱もしくは乾燥させた時にできるジンゲロンも血管を拡張させ、血行を良くし、体温上げる効果が高いです。さらに、香り成分のジンギベレンとともに、消化液の分泌を促し、消化を助けるとともに、胃腸を活性化させ温めます。また、アドレナリンを分泌させる事で脂肪分解酵素のリパーゼを活性化させて、脂肪の分解を促進します。ただし、運動などで消費しないと、また元の脂肪に戻ってしまうのでタイミングが大事です。さらに、脂肪細胞からのアディポネクチンの分泌を促し、インスリンを効きやすくすることで、血糖値を下げ、脂肪の蓄積を抑制します。

カフェインレスでカロリーはコップ1杯数kcalです。一日の適正量は乾燥生姜で2~3gです。

ココア

ココアにはカカオポリフェノールが1杯あたり250mg程度と非常に多く含まれ、血管を拡張させ体温を上げる効果が高いだけでなく、他の食品と比較して、最も効果が長時間持続します。また、脳を活性化させ、集中力を高め、記憶力や計算力が向上します。その他、抗酸化作用による美肌効果や血管の改善、腸内環境改善効果、ストレス緩和効果があります。

ココアは1杯あたり100mg程度とテオブミンを非常に多く含み、血管を拡張させ血行を良くしたり、セロトニンの分泌を促し自律神経を安定化させリラックスさせたり、腎臓を活性化させ利尿作用を高めます。また、効果が穏やかに長時間持続する特徴があります。

食物繊維のリグニンも1杯あたり1~2gも含まれており、腸内環境改善に寄与します。

カフェインはコーヒーの10分の1程度で、コップ1杯10mg程度です。また、カロリーは純ココアとしてもコップ1杯5gとして、20kcalほどと少し高めです。ただし、ココアは満腹感を与える効果があるので、うまく使ってすこじ食欲を抑えることができれば問題ないです。一日の適正量は3杯ほどで、カロリーの取りすぎや、利尿作用を過剰に刺激しないように注意が必要とのこと。

黒豆茶

黒豆のポリフェノールは血行を良くして体温を上げる働きがあります。また、その中でもアントシアニンは、抗酸化作用による美肌効果に加え、視力の改善に効果があります。また、肝臓での糖代謝を活性化させて、血糖値を下げることで、脂肪の蓄積を抑制します。

また、サポニンが体に吸収された糖が脂肪に変化するのを抑制する効果があります。さらに、血中のコレステロールが酸化されて血液がドロドロになるのを防ぐことで、血流を改善します。

黒豆に含まれる大豆イソフラボンがホルモンバランスを整え、骨からのカルシウムの溶出を防ぎます。また、コラーゲンの生成を促し、美肌効果があります。

食物繊維も豊富で、オリゴ糖も含むことから、腸内環境の改善にも効果があると言われていますが、実際お茶に溶けだす食物繊維は1杯あたり50mgよりも少なく、微々たる量のため食物繊維は食品から摂取した方がよいと思われます。

ノンカフェイン、ノンカロリーで、一日の適正量は3杯ほど。

ごぼう茶

ごぼうに含まれるポリフェノールを含むので、血行を促進して体温を上げる効果があるとされますが、ごぼう茶の主な特徴は腸内環境改善と利尿作用促進です。

ごぼう茶には黒豆茶と同じくサポニンが含まれ、体に吸収された糖が脂肪に変化するのを抑制する効果があります。さらに、血中のコレステロールが酸化されて血液がドロドロになるのを防ぐことで、血流を改善します。ただ、ごぼう茶に対するサポニンの記述はかなり意見が分かれていて、あまり含まれていないという記述も多いです。真意はわかりませんが、基本的に黒豆茶を選んでおけば大は小を兼ねるので問題ないかと思います。

ごぼう茶に特徴的なのはイヌリンという成分で、利尿作用を高める効果があります。

食物繊維とオリゴ糖が一番豊富なお茶として有名ですが、こちらも黒豆茶と同じく実際お茶に溶けだす食物繊維は1杯あたり50mgよりも少なく、微々たる量のため食物繊維は食品から摂取した方がよいと思われます。

ノンカフェイン、ノンカロリーで、一日の適正量は2杯ほど。

シナモン茶

シナモンは血管を拡張させ、血行を促進することで体温アップの効果があります。また、プロアントシアニジンという成分がインスリンの分泌を活性化させ、血液中の中性脂肪やコレステロールを下げ、脂肪の蓄積を抑制します。さらに、消化液の分泌を促し、胃腸の働きを活性化させます。

ノンカフェイン、ノンカロリーですが、摂取しすぎるとクマリンという成分が肝障害を引き起こすので、一日の適正量は多くとも3gまでに抑えましょう。

梅番茶

番茶はカフェインは少なく、カテキンが多いため、血行を促進して体温を上げる効果があります。カテキンは脂肪を分解するリパーゼを活性化させる働きもあります。梅に含まれるポリフェノールは血液をサラサラにして血流を改善する効果があり、さらに血管を強化する働きがあります。また、消化液の分泌を促し、胃腸の働きを活性化させます。

その他、梅干しはαグルコシダーゼという酵素を抑制して、糖質の消化吸収を抑制する効果があります。また、ミネラルも豊富で、クエン酸も摂取することができます。

ほぼカロリーレスですが、カフェインはコーヒーの7分の1程度で、コップ1杯15mg程度で、お茶の中では少ない部類です。梅干しが塩分を多く含むので、多量に摂取するのは注意が必要です。ただし、最近は無塩梅干しなるものがあるそうなので、これを使うのが良さそうです。

プーアル茶

黒茶に分類され2回発酵させる後発酵という方法で作られます。ウーロン茶や紅茶と違い、コウジカビを使って緑茶を発酵させます。発酵により生成された重合カテキンと没食子酸という成分が、食事に含まれる脂肪を吸収しにくくします。また、重合カテキンの量はウーロン茶や黒ウーロン茶と比べて断然多いので、ダイエットを目的とした場合はウーロン茶よりもプーアル茶を選んでおけば間違いないです。

ここで、脂肪の吸収過程を一旦おさらいします。まず、食品に含まれる脂肪は中性脂肪の形で口に入ります。このままでは、水に溶けにくく吸収ができないので、十二指腸で胆汁により細かい粒にされ(乳化され)水に溶ける状態にされます。次に膵臓から分泌されるリパーゼにより中性脂肪は、グリセロールと脂肪酸、モノグリセロイドに分解されます。グリセロールは水に溶けやすいのでそのまま小腸で吸収されますが、まだ水に溶けにくい脂肪酸とモノグリセロイドは胆汁によりさらに細かい粒にされ(乳化され)、ミセルという水に溶ける状態になってから吸収されます。これらはさらにタンパク質と結合しカイロミクロンというものになってリンパ管に取り込まれ、肝臓まで運ばれ蓄積されます。脂肪の吸収はこのように複雑な経路を辿るので吸収するのに3~4時間かかります。

さて、これら脂肪の吸収過程の内、重合カテキンと没食子酸は共に胆汁による乳化を阻害し、脂肪を吸収しにくくします。その他、重合カテキンには脂肪を分解するリパーゼを活性化させたり、利尿作用を促進する効果があります。

カロリーレスですが、カフェインはコーヒーの5分の1程度で、コップ1杯20mg程度で、少し多めです。また、プーアル茶に限らず、コーヒー、緑茶、紅茶、ココアなどには尿管結石の原因となるシュウ酸も含むので、飲みすぎないように注意したいところです。尿管結石の予防としては、一緒にカルシウムやクエン酸を摂ると良いようです。。

まとめ

以上をまとめると、各飲み物の特徴は下の表の様になります。

表1. 体を温める各飲み物の特徴.

効果 生姜 ココア 黒豆 ごぼう シナモン プーアル
体温 血行促進
血流改善
脂肪 吸収抑制
(糖)
蓄積抑制
分解促進
カロリーレス
カフェインレス
腸内環境改善
利尿作用
自律神経改善
脳改善
ホルモン改善
血管改善
眼改善
ミネラル

食事の際は、糖質や脂質の吸収を抑制してくれる無塩梅干しプーアル茶が最強と思われます。

午前午後の仕事始めは、脳の働きを活性化させるココアシナモンが最強、食間は生姜黒豆茶を摂取するのが良いと思われます。

運動前は、脂肪の分解を促進してくれる生姜プーアル茶が最強と思われます。さらにオプションで唐辛子を少々入れると効果がアップします。すぐに体温を上げる効果があるので、寝起きにも有効です。

寝る前は、カフェインレスの生姜黒豆茶が最強と思われます。

以上、一日の生活の中で最適な飲み物をまとめると図1のように定まりました。

図1. 1日の生活と最適な飲み物.